飲食店を開業する場合、施設基準に沿った設備が最低条件となります。
リンクの先はPDFで大阪市のHPに飛ぶようになっています。
丁寧に絵で描いてくれてますが、イマイチ理解が出来ない事も。
そもそも、喫茶店の定義と飲食店の定義ですが、街にある喫茶店はほぼ調理した商品を提供するので、飲食店に相当します。
そこがあれ?と思うところですね。
条例によって地域差もありますが、あらかた、以下を理解していれば、今後の仕事に役立つかと。
営業の施設は、住居その他営業の施設以外の施設と明確 に区分すること。
営業の施設と言うのは店舗という事ですね。
ここでは戸惑う事はないと思います。公私混同はダメですよ。不衛生の元ですよって事ですね。
当然、自宅キッチンとの併用は出来ません。
当該作業場で作業を行う従事者以外の者を立ち入らせないこと。
食品に対する衛生面ですが、
従事者以外の者が立ち入ることにより食品等が汚染されるおそれがない場合は、この限りでない。
内容にもよるという事にもなります。
作業場は、使用目的に応じて適当な広さを有し、かつ、 十分な明るさを確保することができる照明の設備及び換 気を十分に行うことができる設備を設けること。
作業場というのは一般的な言い方だと、厨房?でもカウンター内がそうである場合は、作業場になるのですね。
製造、加工、処理、調理及び保管を行う場所。
盛りつける場所が異なるケースもありますよね。調理場と同一の場合は、調理場内に作業台が必要になります。
換気扇は必要な場所に十分な能力。通常、コンロの上部です。ほぼ。
四角いステンレスの箱が天井からぶら下がっているのをよく見ます。
あの大きな箱の中には側面に有圧換気扇といった大型の換気扇が仕込まれているものもあれば、天井にシロッコファンが仕込まれていて、グリスフィルターがしかも延焼した場合に塞き止めるダンパー付で、それが四角い箱に収まっていたり。
大型飲食店やガンガンの中華ならまだしも、なんでもかんでもあの大きな物体を設置するかと思いきや。
これは規模によって変わるようで、軽食程度を出す店だと、一般的によくあるレンジフードで換気を行っている場合もあります。
基本的には、コンロなど機器の能力から必要換気量を算出し、それに応じた換気扇が必要になります。
そしてフードは天井面から垂直に・・。当たり前のようですが、垂直じゃない設置方法があるのでしょうか。
そして照明器具は天井埋込式が推奨されてるみたいです。吊り下げの器具だとホコリが溜まり、それが落ちてくる事が不衛生とみなされるのでしょう。
作業場の床は、次に掲げる要件を備えること。
(1)排水溝を有すること。
(2)清掃が容易にできるよう平滑であり、かつ、適当な勾 配のある構造であること。
(3)水その他の液体により特に汚染されやすい部分は、耐水性材料(厚板、モルタルその他水により腐食しにくい ものをいう。以下同じ。)で造られていること。
大型飲食店の場合は、作業場が広いので、普通に見える丸い排水口では対応しきれないので、道路の脇にある排水溝的な設備が必要になります。
小さな飲食店の場合は、丸い排水口でも大丈夫です。とにかく、きちんと洗える、洗いやすい、水はけも良い設備が求められます。
ただし、排水口から生物が出入り出来ては問題ですので、出入り出来ない構造が必要になります。
また廃棄物の流出を防ぐ意味もあります。
洗う場合は洗剤などの薬剤を使用するので、そういうものにも比較的強い床が求められます。
腐食すると、床が欠落し、欠落部分に汚れが溜まり、カビなどの原因になると考えられるからでしょう。
排水溝は、シンクにも繋がっており、シンクは洗いものを行い、油が流れる飲食店の場合は、グリストラップを設ける場合もあります。
作業場の床面と内壁面との接合部分及び排水溝の底面の角は、適度の丸みをつけ、清掃が容易にできる構造であること。
作業場の内壁は、清掃が容易にできる構造とし、床面からの高さが1.5メートルまでの部分及び水その他の液体 により特に汚染されやすい部分は、耐水性材料で造られていること。
とにかく、衛生面を考慮して、床を洗いまくれる状態にしなさいって事ですね。
天井も同じ事で
作業場の天井は、隙間がなく、清掃が容易にできる構造であること。
で、施設全体は
営業の施設は、ねずみ、衛生害虫等の侵入を防ぐ構造で あること。
衛生害虫はハエやゴキブリでしょうか。
とにかく、衛生的にもきれいにしなさいって事ですね。
調理場の床は、不浸透性材料で造られていること。
念押しです。
よく質問があるのが、シンクですが、基本的にシンクは3ヶ所必要になります。¥
不浸透性材料で造られた洗浄槽を二槽以上設けるこ と。
消毒薬を備えた流水受槽式手洗い設備を、適当な場所に 設けること。
要するに、洗いもの用のシンク、食品洗浄用のシンク、手洗い用のシンクは個別で設置しないとならず、水が飛び跳ねるので最低寸法も明記されています。
また、手洗いには消毒液、ペーパータオル、ロールタオルが推奨されており、衛生面で徹底されています。
従事者用の手洗い設備は、手指の洗浄及び乾燥が適切にできるよう維持するとともに、水を十分供給し、手洗いに適切な石けん、消毒剤等を備え、常に使用できる状態にしておくこと。
とにかく、きれいに!きれいに!という感じですね。
客としても食中毒なんてたまりませんから、充分な配慮が必要になります。
そして、シンクにはしっかりお湯が出るようにします。
自宅で飲食店をする場合は、給湯器は自宅と分ける方がいいですね。
ふきん、包丁、まな板、保護防具等は、洗浄後に熱湯、蒸気、薬剤等で消毒し、乾燥させること。
給湯器の設定によって最高温度が低い場合は使用出来ません。
飲食店ではなく、純粋な喫茶店のみの場合はどうなのでしょうか。
喫茶店は「酒類以外の飲み物又は茶菓(調理、製造行為なし)を客に飲食させる営業」を言い、「提供できる食べ物は、トーストやゆで卵まで」で
コップ式の自動販売機でのジュース類の販売やアイスクリームをディシャー等で小分け販売、什器によるソフトの分注販売、かき氷もスーパーマーケットなどに設置されている水の自動販売機も喫茶店営業に相当するようです。
自家製のケーキなどを出したい場合は、菓子製造業の届け出が必要で、結局、お客を自力で楽しませたいとなると、喫茶店営業の届けだけでは難しい気もします。
なので、喫茶店を開業するにも、冷蔵庫や食器棚、調理台などの設備も全て取り揃えて、飲食店営業許可と、菓子製造業の届けもあれば。
その他、必要な届けがあれば、下記参考に。
飲食店営業、喫茶店営業、菓子製造業、そうざい製造業、あん類製造業、アイスクリーム類製造業、乳処理業、缶詰又はびん詰製造業、乳製品製造業、食肉処理業、食肉製品製造業、魚介類せり売営業、魚肉ねり製品製造業、豆腐製造業、納豆製造業、めん類製造業、みそ製造業、醤油製造業、ソース類製造業、酒類製造業、集乳業、特別牛乳搾取処理業、食品の冷凍又は冷蔵業、清涼飲料水製造業、乳酸菌飲料製造業、氷雪製造業、食用油脂製造業、マーガリン又はショートニング製造業、食品の放射線照射業、添加物製造業
いろいろやりたい場合は、いろいろと大変です。
そういえば、お客用の手洗い(場合によってはトイレ併設も可?)が必要な場合、お客さんは自分で消毒してねって事ですね。
食べる前に手を洗いましょう。
でも、狭くて混んでる店だと手を洗うだけにはなかなか行けませんね。、